皆様の会社は、心の通じ合う会社でしょうか?
最近では、『見える化』が生産性向上に大きく寄与することが知られています。
今回は、『こころの見える化』が組織を活性化し、業績改善に大きな影響を与えるということを、企業への経営改善支援の実体験をもとに紹介していきます。
支援した企業は、創業者である社長が夫人と共に築き上げて来た会社です。
製品の製造技術は、社長が研究し体得してきたことが基盤となっていました。
このため、製品製造に関しては、社長の暗黙知をもとにトップダウン型の運営がなされていました。
私は、このトプダウン型の良いところを活かしつつ、ボトムアップ型を加えて行くことで、会社が活性化していくと考えたのです。
そこで、社長夫妻の了解を得て、活性化の仕掛けを実行させて頂きました。
以下が実行した内容の一部です。
(1)全従業員が、会社をどのように見ているか、将来この会社がどのようになって欲しいかを中心に、全従業員と1対1で面談しました。
面談を通して、この会社の人材の素晴らしさが見えて来て、支援者である私の『改善に協力したいと言う想い』に対する理解が得られていきました。
(2)リーダー達の改善に向けた想いが成果に結び付くように「会社を良くする会」を発足し、定期ミーティングでお互いの課題について話し合って貰いました。
このことで、リーダー間のこころが通い合い、工程間の連携が良くなり、大きな課題もリーダーが協力し合って達成できるようになっていきました。
(3)新年度、全員参加のキックオフを企画し、以下のような式次第で進めました。
①キックオフに先駆けて、全従業員での昼食会が行われ、各人の自己紹介の後、色紙作り
が行われました。全従業員に色紙が配られ、色紙中央に自分の氏名と目標、周りに自分
以外の従業員全員からの応援メッセージを書き込み合いました。
②キックオフは以下のように進めました。
・社長が経営理念、今期の目標を全従業員に語りかけて頂きました。
・リーダー達に目標を意思表示して頂きました。
・全従業員に、ひとりずつ、自分の目標と色紙作りの感想を話して頂きました。
③最後に会社の発展を祈願して、全員で達磨に目を入れました。
この後、この企業では、お互いのこころが見えるようになり、売上・利益が向上していきました。
私もこころの見える化がこんなに大切なものなのだと学ばせて頂き、今でも機会を与えて頂いた社長夫妻や従業員の皆様に感謝しています。
群馬県よろず支援拠点
コーディネーター 吉村 守