皆さま、こんにちは! 群馬県よろず支援拠点です。
今回は、コーディネーターの平本が担当させていただきます。
さて今回は、「モノ消費」から「コト消費」、そして新しい消費スタイルである「トキ消費」
についてお送りいたします。
「モノ消費」とは、モノの消費を中心とした消費スタイルのことです。モノとは主にハードを
示しており、家電製品や車、衣類、アクセサリーなど形ある商品です。
高度経済成長期は、三種の神器(電化製品)のような生活に便利な新しい商品が生み出されて
は消費されました。
モノが売れれば企業の業績も上がり、それに応じて社員の所得も増え、よりモノが消費されて
いきました。
「モノ消費」は、生活必需品を買い揃えることから、より便利な製品やデザイン性の優れた
製品に買い換えたりしながら、消費を伸ばしていきました。
これがやがて、ブランド品などのステータスや高級志向を満足させる精神的な消費に変わって
いきました。
そして精神的な満足を得るための消費の次のステージとして、ハードではなくソフトとしての
体験(グルメや旅行、趣味や習い事など)を消費すること「コト消費」に注目が集まり始めま
した。
最近では、Instagram、FacebookなどのSNSで、自分の体験などを公開し、閲覧者から「いいね!」
やコメントなどを得るなど、「コト消費」は揺いではいません。
一方で、あらたな消費スタイルへの変化が注目されています。それが、「トキ消費」です。
「トキ消費」という言葉は、2017年に博報堂生活総合研究所が使い始めました。
-> 博報堂生活総合研究所:「コト消費」では説明できない。博報堂生活総研が新たに提案する「トキ消費」とは?
博報堂生活総合研究所では、「トキ消費」には「コト消費」と比較して3つの特徴があると分析
しています。
1つ目は、「非再現性・限定性」です。時間や場所が限定されていて、同じ体験が二度とできない
ことです。
2つ目は、「参加性」です。同じ趣味などを持った人たちが集まって、主体的に参加することです。
3つ目は、「貢献性」です。ツアーやイベントが盛り上がり、参加した成果が目に見えて分かり、
貢献していることが実感できることです。
博報堂生活総合研究所では、以上の特徴を持った「トキ消費」こそが、モノにもコトにも満ちて
いる現代で生まれつつある新しい消費スタイルだと述べています。
「トキ消費」の例としては、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、期間を限定して
来場者参加型のイベントである「ミニオン・スノー・ファイト」や「セサミストリート・スノー・
パーティ」などがあります。
県内では、21年前に廃線となった横川駅~長野県軽井沢駅間を歩く「廃線ウォーク」や上毛電気
鉄道の「電気機関車運転体験ツアー」は、「トキ消費」の3つの特徴を備えているのではないかと
思われます。
次の消費スタイルと考えられる「トキ消費」は、新たなビジネス・チャンスを捉えるための
トレンドとして押さえておく必要があるかと思われます。
群馬県よろず支援拠点ではビジネスモデルやマーケティング支援の経験豊かなコーディネーター
がご相談をお受けしていますので、お気軽に当拠点へご連絡下さい。
群馬県よろず支援拠点
コーディネーター 平本 善則